事例

切削工具のための油剤選定

T様 工具商社 S社様担当営業マン
S社様 金属加工業(量産品加工) NC自動機25台 他多数

◇状況
量産品の加工がメインのS社様で、親会社より新たな製品を受注し、加工に取り掛かっていたところで問い合わせを頂きました。
新規の製品は、材質の違いはあったものの、加工自体は従来から行っていたものとさほど変わりなく、多少の調整ですぐに生産に移れると考えていたそうです。
しかし、いざ加工してみると思いのほか切削工具の持ちが悪く、様々なチップを試し、加工条件もいろいろ試みてみたものの一向に改善の兆しが見えず、では、工具ではなく加工液を変えてみては?ということで弊社に連絡がまいりまいた。

◇対応
お話をいただき、加工条件に適したクーラントを選定し数種類試してみたものの、芳しい結果は得られませんでした。
打開策が見いだせない中、工具商社のT様も私ども同様解決策が見つからず、困り果てていいました。藁をもつかむとはよく言ったもので、普段あいさつ程度しかしたことがないTさんと互いの商品についての特徴や性能を発揮するための必要条件など話をしていました。
その際、T様いわく、工具の持ちが悪いのは、うまく熱を逃がし切れていないこと、そのために工具のコーティングが活かしきれていないことが原因ではないか?とのことでした。
一方弊社では、S社の担当者様に伺っていた加工条件、ワークの材質にあわせ油剤選定した結果より潤滑性の高いものが適しているという判断でした。
当然うまくいくはずはありません。互いに要求性能の異なる製品を提供していたわけです。
T様からお聞きした話を参考に、冷却性を重視した加工液に変更してみました。すると、今までの苦労がうそのように問題は一気に解決しました。

◇結果
従来通りの加工液選定方法では解決できなかったかもしれません。
今回は、工具を販売しているプロからその工具が最高のパフォーマンスを発揮するための必要条件をお聞きすることが出来ました。
切削工具にかかるコストは加工液にかかるそれの10倍であると聞いたことがあります。
「この加工液を使えば工具寿命は必ず延びます」「このクーラントの添加剤は・・・」等々、加工液の性能についてだけでなく、
工作機械、加工条件、切削工具、加工液・・・最高の結果を得るために何を優先すべきか?
弊社はどう行動すればよいか?その意味でいい経験をさせていただきました。
お客様のご要望にお応えする。そのうえでお客様のメリットを最大にする。販売している商品やアプローチ方法は異なりますが、お客様の利益に貢献するという目指すところは同じであるため弊社がご協力できる部分もあるかと思います。御社の商材の一つとして加工液やそれに付随するタンクの洗浄、廃液処理等々『工具に最適な加工液のセット販売』を囲い込みの一環として、また『販売したい工具に合わせた油剤選定』など収益拡大の一助として弊社をご活用ください。

 

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